太陽光パネルを設置の方

太陽光パネル屋根からの落雪被害を防ぐ

太陽光パネル設置時には落雪対策が必要です

太陽光パネルからの滑り落ちての落雪

 家庭用太陽光発電パネルが普及し、電力会社による買い取り制度の確立に伴い、一般家庭における太陽光パネルの設置世帯数は年々増加しています。

 しかし、太陽エネルギー利用パネル関連事業者・販売店のカタログ等には、発電によるお得感がクローズアップされ、落雪への注意・対策に関する表記がないものも見受けられます。

 その為、各地の消費生活センターには、太陽光パネルからの落雪による相談が年々増え、その旨の注意喚起も発表されています。

 また、落雪事故防止のために、(独)防災科学技術研究所にては、『太陽光電池パネル上の雪の滑走実験』も行われ、その結果も報告されています。

 昨今の異常気象で、普段降雪が少ない地域での大雪も増え、被害件数も増加しているため、事故の未然防止を図ることが必要になっています。


各公的機関からの報告・発表

国民生活センター
「屋根設置にの太陽エネルギー利用パネルからの落雪に注意」より
問題点や消費者への注意点、事業者への要望
主な事例
comment

 太陽光発電パネルを昨年11月に設置した。パネルには滑り止めがついていないが屋根には滑り止めがついていた。自家用車は雪が滑り落ちても安全であろうという場所まで移動していたが、雪は重みで屋根から3メートル以上離れた場所に落ちたため、自家用車を直撃した。

 パネル自体に滑り止めをつける方法があることや積雪のときの注意事項などについて設置のとき、説明は受けていない。

comment

 オール電化住宅で1ヵ月1万数千円の電気代を払っており、ソーラーシステムのチラシを見て近所の家電量販店に行って説明を受けた。予定よりパネル数が増え、予定金額も多くなったが「少なく見積もっても電気料金分の発電量は見込める」と言われ、年間予測発電量の資料を基準に、発電量不足分は補償するとの説明もあったので契約した。

 積雪が心配だったが、急勾配の屋根から滑り落ち、発電量や雪の落下の心配はないと言われ、雪止めの話はなかった。実際には雪が積もって発電しないし、積もった雪が落下して、物置の屋根を壊し、サンルームの天井屋根が曲って外れるなどした。人身事故になりかねず、このようなことが起こると分かっていれば契約しなかった。パネルを撤去して元通りにしてほしい。

comment

 居住アパートの屋根に設置されたパネルに積もった雪が落ちた。外にいた妻と子供の頭上を直撃。

 負傷し、病院でムチ打ち症と診断された。大家も施工業者から「雪止めは設置してあるので、落雪対策は問題ない」と説明されたというが、施工業者から謝罪や落雪対策の説明はない。施工にも原因があったと言えるのではないか。

comment

 3年前、メーカーからは「寄棟でパネル貼りにすると発電率がよい。積雪時は発電しない」と説明を受け、パネルが屋根と一体化になった新築注文住宅を購入。

 その年の12月、屋根から雪が勢いよく滑り落ち、各隣家の敷地内に落ちテラスなどを破壊した。「音で眠れない、雪が壁に当たる」とクレームがあり、工務店に連絡し、工務店独自の雪止めを設置しテラスも補修した。

 今年12月、今度は自宅に設置したテラスに屋根からの落雪が跳ね返り、また隣家壁に衝突した。メーカーの営業担当に苦情を言ったが、お客様相談窓口や、施工業者を次々たらい回しにされた。もし、落雪の説明があれば、選択しなかった。

雪氷防災研究センター
「太陽電池パネル上の雪の滑走実験を実施」より
試験体
 太陽電池パネルを2枚連結し、長さ2.4m、幅0.8mとしたものと、これと同じサイズのトタンを葺いた模型屋根を用意し、同じ傾斜角16.7度(3寸勾配)にして雪の滑走実験を行いました。
実験方法
 雪のサンプルは幅25cm・長さ30cm・高さ25cmのブロックに切り出し、それを上記の試験体の最上部から同時に滑らせ、末端から飛び出した雪がどこまで到達するかを測定します。このとき、滑りやすさは雪の乾湿に影響されるので、乾いた雪と濡れた雪を想定し、室内温度を-3℃と+3℃にそれぞれ設定し、試験体が設定温度になじむまで十分時間をおいた後、滑走実験を行いました。
実験結果

 乾いた雪では太陽電池パネル、トタン屋根ともに庇から1.5mの所へ落下しました。

 一方濡れた雪では、両者で大きく異なり、太陽電池パネルは1.7m、トタン屋根は1mのところに落下しました。

 乾いた雪では、雪が堅く水が介在しないため、飛距離の差はありませんでした。一方、濡れた雪では、雪が柔らかくなり、底面に水が存在するので、表面が滑らかな太陽電池パネルの方が滑りやすくなり、凹凸のあるトタン屋根では逆に抵抗が大きくなったものと考えられます。

太陽光パネルと落雪距離の関係図

太陽光パネル屋根からの落雪被害で
原因となるポイント

パネル上は滑りやすく一般的な屋根に比べて遠くまで飛ぶ。 普段降雪の少ない地域ほどパネルに落雪止めの処置を行っていない。 住宅密集地に設置するパネルほど、近隣被害が起きる可能性が高い。 パンフレットや取扱説明書に落雪の危険性の記載や説明が不足している。

 各公的機関の発表・報告からも分かるように太陽光パネルは、一般の屋根に比べ表面が滑りやすい構造になっているため、雪止めが付いた一般の屋根と比べ落下速度が速くなることで、通常より大きな衝撃を与えたり、予想以上遠くに落雪したりする可能性があるため、普段降雪の少ない地域でも、特に雪止めの処置を行っていない場合には、落雪による被害があることを認識する必要があります。

 また、すでに設置済みの場合には、地域ごとの気候条件をふまえ、確実に落雪被害を防止するために必要な対策措置を検討することが大切です。


太陽光パネル設置の屋根形状や
降雪量にあわせた本体タイプ

太陽光パネル設置屋根・本体設置状況

 太陽光パネルの積雪に対する性質の調査・研究と、これまでの落雪防止に関するノウハウを生かし製品を開発しました。

 RS-290では表層雪崩時の瞬発的加重に対する耐久性と、多量の雪を落雪させないことを重点に、フレームの構造設計に力を注ぎました。

落雪ストップ本体・RS-T290
落雪ストップ本体・RS-T135
製品本体の特徴・基本性能